2016/05/15

『蒼い猟犬―1300万人の人質』堂場瞬一 感想

蒼い猟犬―1300万人の人質
堂場 瞬一
幻冬舎
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若手刑事が東京都を巻き込んだ脅迫事件に立ち向かう警察小説。

給食に毒物を混入し東京都に身代金を要求するという発想は
なかなかスケールが大きくてワクワクする展開です。
実行を防ぐのが難しく、それだけに身代金を渡す瞬間に
全力を注ぎ込んで逮捕を狙うという緊迫感ある展開もいい感じ。

ただ、肝心の主人公たちの性格が足を引っ張っているような。
若手刑事を育成する新部署という設定は悪くないのですが、
主人公たちの反応がいちいち素人っぽいので
読者としては違和感を感じる場面が多かったです。
若手というのを意識し過ぎて子供っぽくなってしまったような。
事件の大きさに対して刑事たちの力不足感が半端ないです。
これならやり手のはぐれ刑事に担当して欲しかったかも。

オチのどんでん返しは個人的には好きな方向だったんですけど、
全体を通してみると浮いているようにも見えます。
主人公たちの青さに比べて巨悪過ぎるというか。
この展開にするなら犯罪者サイドもしっかり描写して
クライムサスペンスっぽくした方が良かったかもしれません。

青臭い刑事の成長物を目指していたのは分かりますが、
結果的には一つ一つの要素がバラバラに感じられる作品でした。

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