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『アルティメット・ノベル・ゲーム・ギャラクティカ』 感想
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サークル『人工くらげ』のSFノベルゲームである
『アルティメット・ノベル・ゲーム・ギャラクティカ』の感想です。

タイトルのアルティメット・ノベル・ゲーム・ギャラクティカとは
3000の並行世界に存在する自分が一同に会し、
それぞれが作成したノベルゲームを発表する即売会の名前。
物語は主に3つの世界の自分の視点で進行し、
各々が部活モノ、東方二次創作、SF作品を作ることになります。

ここでシレッと東方二次創作が入っているところが
同人ゲームならではの展開であると同時に、
作中と現実が繋がっているようなリアルな感覚を与えてくれます。
東方だけでなく、現実にあるアニメやゲーム、声優の名前も
ガンガン出していけるのは同人ゲームの強みでしょう。

話のメインテーマは「物語を作る」ということ。
これだけだと単なる文学的な話になりがちなのですが、
それに並行世界を絡めてSF仕立てにしているのが面白いですね。
単なる並行世界だけでなく、過去や未来も絡んできますし、
物語を作らなかった世界も垣間見える点が話に厚みを与えています。
オタク要素を使った見せ方も上手く、歴代戦隊モノを並べ合って
どの時点で並行世界がズレ確かめる展開は胸が熱くなりました。

作中作が3本もあることも本作の特徴。
どの作品もなかなか興味を引かれる内容なのは当然として、
キャラをどこまで増やすかや二次創作でのオリキャラ投入など、
作り手としての判断を問われるネタも盛り込んでいます。
個人的には物語を纏め切れるなら何でもありだと思っていますが、
一般的には受けの悪いネタも数多くあるわけで、
そういうのを意識しつつどこまで自分が作りたいものを
作っていけるのかというのは、創作の永遠のテーマですね。

本作には機見さん、野々原、パル子という3人の女性が登場し、
視点も3つに分かれているのでてっきりギャルゲー的な
ヒロイン選択が発生するのかと思い込んでいたのですが、
どのルートでも野々原とくっついてたのは意外といえば意外。
まあ、ノベルゲームを作るというこの作品の目的を考えると
他の選択肢はかなり難しくなるわけですが、
これに関しては自分のギャルゲー脳を反省した次第。
もちろん、商業作品なら他の手段でノベルゲームを作る展開にして
話の幅を広げるのが常道ですが、同人作品でしかもフリーですし、
物語をコンパクトに纏めたのは適切だったと思います。


まとめ。
最初触ったときは「最高のノベルゲームを作る」作品なのかと
思っていたのですが、実際にはその手前の段階である
「作品を完成させる」ということについて考える作品でした。
この手の作品では業界の薀蓄が多くなることが多々ありますが、
本作ではそこを薄めにして、あくまで創作の心構えについて
SF要素を絡めて語るという点に注力していたのが良かったなと。

創作活動というものを真面目に考える作品として
良い刺激にはなりましたし、これから創作活動を考えている人や
未完成作品を抱えている人には是非触って欲しい作品です。

テーマ:フリーゲーム - ジャンル:ゲーム

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