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『人間の顔は食べづらい』白井智之 感想
人間の顔は食べづらい
白井 智之
KADOKAWA/角川書店
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タイトルのインパクトが凄い作品ですが、
その内容はというと横溝正史賞候補になっただけあって
意外と真面目なSFミステリーでした。

舞台は食用クローン育成が解禁されている日本。
そこで起こったとある野党政治家の殺害事件と
大物政治家に対する生首送りつけ事件が
一つの結末へ結び付いていくというのが基本的な流れ。

物語は柴田和志と河内ゐのりの二人の視点で進むのですが、
和志の方はクローン生産会社で働いていることもあって、
この世界特有のグロテスクな描写が多かったですね。
単に職業の異常さだけでなく、密かに自分のクローンを
地下室で飼っているというプライベートも異常ですし、
そんな彼の結末が非常に気になる話になっています。

ゐのりの方も風俗嬢なのでエログロ描写はあるのですが、
流石に毎日クローンを解体している和志よりは普通ですね。
事件にどっぷり漬かり込むことになる和志に対して、
一歩引いて観察者となるゐのりという感じでしょうか。
和志の視点だけだとげんなりさせられたでしょうし、
2つの視点を行き来してくれたのは助かりました。

話の仕掛けは設定を見た時点で分かる人には分かりそう。
でもこの設定をミステリーの落とし込むという行為を
実際にやったことに関しては評価したいです。
設定が一番の武器である作品なのは確かですけど、
それをしっかり生かした作品だったと思います。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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