2016/03/01

『消滅のリスト』五條瑛 感想

消滅のリスト (小学館文庫)
五條 瑛
小学館 (2013-07-05)
売り上げランキング: 455,225

人類の未来を決める『会議』のリストを巡って
各国の諜報機関が暗闘を繰り広げる本格情報小説。
情報小説というのは裏表紙の紹介文にある表現ですが、
確かに情報小説という表現がピッタリな内容でした。

先にネタバレをしてしまうと、この『会議』というのは
国が核ミサイルを落とす都市を決める会議のこと。
ある都市に核ミサイルが落とされた国が相手の国の
同レベルの都市に核ミサイルを落とした時点で、
ミサイルの撃ち合いをストップするというシステムです。

基本的に夢物語であるとはいえ、
万に一つぐらいはそういう密約があるかも、
と思わせるような緻密な描写は流石五條さんですね。
この密約が成立したキューバ危機は
自分にとっては教科書の中の出来事ですが、
当事者たちにとっては凄まじい緊張感だったでしょう。

多くのスパイたちの生き様も子の小説の大きな魅力。
大国の手先になって情報を狙う者と、それを狩る者。
小遣い稼ぎのため軽い気持ちで情報を売る者に
裏社会の魅力の取り付かれて堕ちていく者と、
多種多様な人物が出てくるので最後まで飽きさせません。

オチもいい感じにバラバラで、爽やかなものから
悪意のあるものまで詰め込まれているところに
この世界の混沌とした状況を感じさせられたり。
非常に長くて視点変更も多い複雑な小説でしたけど、
最後の最後まで読めないエンタメ小説だったと思います。

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