2016/02/02

『異国合戦 蒙古襲来異聞』岩井三四二 感想

異国合戦 蒙古襲来異聞
岩井 三四二
講談社
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鎌倉時代の一大事件であった元寇を
竹崎季長を主人公にして描いた歴史小説。
貧乏御家人である季長があの手この手で手柄を立て
領地を得ようとしている姿がコメディちっくに描かれています。

当時の戦では首を取るのが評価されるのはもちろんとして、
自分が討ち死にしても同等の手柄というのは面白いですね。
たしかにこれなら死を恐れず戦えるかもしれません。
まあ、逆に言えば手柄を立てたいなら死ぬしかないわけですが。

この作品の季長は、手柄を立てたものの
現場のゴタゴタのせいでそれが認められず、
最後は鎌倉まで直訴しに行ってしまうという頑固者。
彼が手柄に拘る一端となった領地問題や鎌倉への道中など、
当時の世相を面白おかしく描写しているのは流石岩井さん。

しかし話が季長以外の視点に移ると
少しパワーダウンしたようにも感じられました。
特に元側の描写は既に占領されている高麗がメインなので
日本側よりも重苦しいですし、爽快感も少なめ。
単品で見るとこっちはこっちで面白い話なんですけど、
日本側との食い合わせがちょっと悪かったように思えます。

その他にも細かい視点変更が多くて少しテンポが悪かったです。
日本側主人公の季長と高麗側主人公の李に
視点を絞ればすっきりしたような気がしなくもない。
とはいえ、それでも一気に読んでしまいましたし、
元寇の泥臭い戦いを見たい人にはお勧めの一冊だと思います。

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