2016/01/09

『モダンタイムス』伊坂幸太郎 感想

モダンタイムス (Morning NOVELS)
伊坂 幸太郎
講談社
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「勇気はあるか?」

1ページ目のこの言葉に釣られて読んでみたのですが、
伊坂さんの過去作品である『魔王』の続編だったんですね。
まあ、魔王を知らなくても普通に読めるんですけど、
読んでいた方がニヤリとできるシーンが多いのも確かなわけで。
自分としては魔王は好きだったので嬉しいです。

さて、その内容はというと、ごく普通の会社員である渡辺が
異常な妻から浮気を疑われ、命の危険を感じているうちに
いつの間にか国家規模の陰謀に巻き込まれていくというもの。
後半だけなら割とよくある話なのですが、
そこへ行く前にまず嫁さんが拷問を仕掛けてくるという
ぶっ飛んだ導入部のおかげで一気に作品に引き込まれました。

その後の展開はというと、とある言葉を検索した人々の身に
次々と不幸が起こるといういかにもサスペンス的なものですが、
話の大きな流れは先の読めない展開というわけではなく、
おおかた予想通り、期待通りという感じでしたね。
ただ、着地点はだいたい予想通りだったんですけど、
最終的に死んだキャラ、生き残ったキャラについては
かなり予想を外されましたし、作家の最期には泣かされました。

前作とは「考えろ」というテーマは共通していたものの、
渡辺が迎えた結末は前作の兄弟とはまったく違うものでしたね。
見方によっては逃げたとも見えるこの結末ですが、
「考えた」末での結末ならそれもまたありかもしれません。
社会生活も長くなるとついついシステムに流されて
考えることをサボりがちになりますけど、
折角の長い(短い?)人生、有意義に過ごしたいもんですな。

ちなみに自分は小説で世界を変えられると信じてるクチです。

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