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『機龍警察 火宅』月村了衛 感想
機龍警察 火宅 (ハヤカワ・ミステリワールド)
月村 了衛
早川書房
売り上げランキング: 75,860

一般的に物凄く知名度が上がっているのか、
それとも自分の周りでだけの常識なのか、
微妙に判断できない機龍警察シリーズの短編集です。
薄めの本に8本の短編が入っているということで
一本ごとの長さは短めですが、それ故に読みやすいです。

短編の作風は大きく二つに分かれていて、
機甲兵装が絡んでいる機龍警察らしいものがある一方、
機甲兵装が全く出ない渋い警察小説風のものもあります。
まあ警察内部のゴタゴタも機龍警察の売りですし、
後者も機龍警察らしいといえばらしいのですが。

『火宅』『雪娘』はまさに警察小説。
特に火宅はトリックも雰囲気もいい意味で泥臭くて、
機甲兵装がまったく出ていないにもかかわらず
これを表題作にしたのには納得の出来です。

『焼相』は機甲兵装メインの話ですが、
内容としては非常にシンプルなサスペンス物。
本編と違って少ないページ数で機甲兵装の話を作ると
どうしてもあっさり風味になってしまうのかも。

『輪廻』は機甲兵装のある世界での少年兵ネタ。
中東やアフリカでの少年兵の扱いについては
今の世の中でも問題になっていますし、
最近のガンダムでもそっち系の設定が使われてたりと、
世界規模の戦争ネタとしては定番になりつつありますね。

『済度』『沙弥』は主要キャラの過去話。
由紀谷と親友の話は本編でも匂わせていましたけど、
それがようやく形になったというところでしょうか。
ライザの過去はもうやり尽くした感はありますが、
沖津にスカウトされるシーンを見れたのは良かったです。

『勤行』は機龍警察としては珍しいほのぼの系。
仕事に追われまくる宮近は娘の発表会に間に合うのか?
というちょっとドタバタコメディ風の話ですが、
普段が普段だけに最後まで嫌な予感が拭えませんでした。
結果的にはいい意味で裏切られましたが。

『化生』は基本のおさらい編というべきか。
いずれは龍騎兵と同等の存在が現れるということを
改めて読者にアピールする話ですけど新鮮さは薄め。
とはいえ、これについては物語の根幹を成す設定ですし、
短編最後の話としては相応しいのかもしれません。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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