2015/10/11

『首都崩壊』高嶋哲夫 感想

首都崩壊 (幻冬舎文庫)
高嶋 哲夫
幻冬舎 (2015-10-08)
売り上げランキング: 2,337

東京直下型大地震をテーマにした災害小説。
首都崩壊というタイトルを見ると
地震で東京が崩壊する話のような印象を受けますが、
実際には地震に備えた首都移転が主軸になっています。

まず東京で大規模な余震が起こり、
それを不安視した円の暴落と中国マネーの流入が発生。
これに対抗するための地震、経済対策として急遽、
首都移転計画を実行するというのが基本的な流れ。
割と行き当たりばったりなストーリーではあるのですが、
そもそも作中の移転計画自体が平時には不可能なものを
地震のどさくさまぎれに実行するという計画なので
行き当たりばったりなのは当然とも言えます。
まあ実際、地震なしで首都移転を発表しても
国民の支持はまず得ることができないでしょうし。

あと、何気にアメリカの行動の影響も大きかった。
アメリカとしては、日本の経済が破綻して
中国の援助を受けるという事態を避けるためなら
手段を選ばないのは当たり前のことなんでしょうね。
日本の経済破綻に対して日本よりアメリカや中国の方が
関心を持っているというのはその通りかも。

首相官邸前での移転反対デモは
昨今の安保法案反対デモを思い出す光景でした。
「東京を壊すな」という近視眼的な立場で反対し、
数年後数十年後のビジョンがまったく見えていない。
別にデモを否定するわけではないのですが、
もう少し冷静に話し合う姿勢は見せられないものか。

まあそれはそれとして、本作は地震の恐怖だけでなく
そこから発生する様々な事象まで手を広げた
面白いシミュレーション小説だったと思います。
純粋に恐怖を煽るパニック小説も好きですけど、
本作のような小説も興味深くてワクワクさせられますね。

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