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『私はテレビに出たかった』松尾スズキ 感想
私はテレビに出たかった
松尾スズキ
朝日新聞出版 (2014-12-05)
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真面目一辺倒で生きてきた中年サラリーマンが
一念発起してテレビに出演しようと奮闘する物語。

まず主人公である恭一の描写が面白い。
学生時代に後一歩のところでテレビに出損ね、
その悶々が中年になって爆発するという導入部は
妙な説得力があって一気に話に引き込まれます。

物語の展開もやたらと疾走感があります。
序盤は会社のCM撮影や役者学校への入学といった
真っ当な展開でこのまま普通に勉強するのかと思いきや、
そこからホモ男優に狙われたり、万引き女優となった
初恋の人と再会するといった芸能界の闇に飲まれ、
更には娘が爆弾魔に狙われるという家庭問題まで発生し、
次から次へと起こる珍事に振り回されたまま
最終的にはいい話として纏められているのが凄い。
中年リーマンのドタバタコメディなのに
一大冒険譚が終わったような爽快感がありました。

松尾さんとしては10年ぶりの長編だったようですが、
軽快な人間描写と先の読めない展開は健在でしたし、
もっと長編を書いて欲しいと思ったり。
いや、多忙な方だとは分かってるんですけどね。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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