2015/08/12

『黒龍荘の惨劇』岡田秀文 感想

黒龍荘の惨劇
黒龍荘の惨劇
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岡田 秀文
光文社
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明治時代のとある館を舞台にしたミステリー小説。
一応、シリーズ物の2作目に当たりますが、
自分はこれらから読んでも特に問題はなかったです。

読んでみた印象としては「トリック命」な作品ですね。
探偵物ではあるものの探偵役をはじめとする
キャラクターの個性は弱かったですし、
伊藤博文や山縣有朋といった大物が登場している割に
そのインパクトはというと結構微妙だったと思います。

ただ、事件の真相には見事にやられました。
館の住人が次々と殺されていくという展開自体は
テンプレ過ぎて意外性がなかったものの、
殺害トリックについてはまったく見当がつかず、
最後の最後で見事にちゃぶ台返しを食らった感じです。
人によっては壁に本を叩き付けそうなオチですが、
自分は綺麗に騙されたので痛快な読後感でした。

ただ、探偵役である月輪が最後まで騙され続けたせいで
まったく名探偵に見えなかったのは物足りないか。
それだけ見事な犯罪だったということもあるのですが、
キャラの魅力は完全に死んでしまった気がします。
とはいえ、彼が騙され続けたせいで事件の難解さが
増した面もありますし、事件の凄さを描写するためなら
探偵役がほとんど役に立たないという展開はありかも?

自分としては微妙な面が結構ありましたけど、
最後の最後で見事な逆転ホームランを食らったので
総合的に見ると満足できる作品でした。

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