2015/07/28

『乙霧村の七人』伊岡瞬 感想

乙霧村の七人
乙霧村の七人
posted with amazlet at 15.07.28
伊岡 瞬
双葉社
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前半ホラー後半ミステリーなハイブリッド小説。

前半はとある廃村を訪れた大学生たちが
斧を持った謎の男に追い掛け回されるという内容。
過去に大量殺人を起こした殺人鬼にソックリな男が
無言で追いかけてくるというシチュはホラーそのもの。
実は死人がまったく出ていないにもかかわらず、
主人公である女性の語り口に緊張感が溢れていたので
追われるものの疾走感溢れる内容になっていました。

後半は前半の事件のネタ晴らしになるわけですが、
前半から一転してこちらは語り口がよろしくない。
主人公が事件の関係者にインタビューする形で
様々な関係者たちが事件について語り、
そこから真相を導き出す構成になっているのですが、
これがまさに幽霊の正体見たりという感じで、
前半の緊迫感が綺麗サッパリ消滅してしまいます。

この落差自体は作者の狙い通りだとは思うのですが、
前半のホラー部分の出来が良かったのが仇となったか。
後半にしてもミステリー的な仕掛けは無難なのですが、
語り口に緊迫感がないこともあって
モッサリとした雰囲気になってしまってるんですよね。
これなら主人公視点のサスペンス風演出にした方が
前半から上手く繋がったような気がします。
前半が良かっただけに惜しい作品でした。

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