2015/05/21

『宮本伊織』大塚卓嗣 感想

宮本伊織
宮本伊織
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大塚 卓嗣
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宮本武蔵の養子として有名な宮本伊織の物語。

宮本伊織という名前自体はそこそこ有名ですし
脇役として登場する作品も結構あったりしますが、
ちゃんと主人公として活躍する作品は珍しい気がします。

物語は伊織が武蔵に引き取られるところから始まり、
その無茶っぷりに振り回されながらも
剣士として、家老として大成していくという流れ。
武蔵が剣を教えずに能だけを教えるというのは面白い。
しかもちょっと手本を見せた後は自分で考えさせ、
それによって才能を見極めるという感じですね。
人の目利きができると自慢していた武蔵らしいです。

この本の親子関係はずっとそんな感じで、
武蔵が伊織を千尋の谷に突き落として
伊織が少しずつ成長していくという繰り返し。
ともすればワンパターンになりそうなものですが、
数々の試練に対してあの手この手で対応する伊織の姿は
応援したくなりますし、結果を出したときの爽快感もあって、
最後まで飽きずに楽しむことが出来ました。

精神面での成長が丁寧に描かれているのは良かったですが、
要所要所で挟まれる剣戟シーンもいいアクセント。
武蔵に剣を習っていなくとも我流で成長していく伊織が
なんというか、男心をくすぐるんですよね。
しかも武蔵との親子対決まであるときたら…たまりません。
武蔵という偉大な存在に振り回されながらも
一人の男として立派に成長した伊織に拍手を送りたい。

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