2015/02/09

『夏の色のノスタルジア』 感想

公式はこちら。

MOONSTONEの新作『夏の色のノスタルジア』の感想です。

ジャンル的には幻想ミステリーでしょうか。
時間が停滞している幻想空間に紛れ込んだ主人公が
ヒロインたちの謎に迫っていくというのが基本的な流れ。
祥子のみシナリオにロックがかかっていて
他3人を攻略するとルートが開くという仕掛けですが、
これは他ルートのネタバレが満載だから仕方がないか。

どのルートもちょっとしたどんでん返しがあるので
短編ミステリーが好きな人なら楽しめるかも?
とはいえ、それほど派手な展開があるわけでもないので
期待が大きいと拍子抜けすることになると思います。
伏線が丁寧であるが故にオチが読めるという面もある。
サブキャラが極端に少ないので画面も寂しい感じですね。

個人的にはこのしっとりとした雰囲気は好きなのですが、
舞台が気味の悪い異空間ということもあって、
ヒロインと付き合い出しても不穏な空気が漂っていますし、
素直にイチャラブを楽しみたい人には不向きかも。
日常シーンも基本的には地味なイベントの積み重ねなので、
合間に挟まれる不穏さを楽しめない人には厳しいかな。

面白いと思ったのは後半のホラーちっくな演出。
前半はマッタリと平和に進むゲームなのですが、
それだけにヒロインのトラウマに近付くと見えてくる
異様な光景にはビクッとさせられることも多かったです。
ここら辺は幻想空間であることを上手く使っていたかと。
ただ、幻想世界はあくまでヒロインたちが抱えている
現実的な悩みを解決させるための小道具ですし、
終盤に行くにつれて地に足付いた話になっていくため
ワクワク感も少なくなっていくのは惜しかったです。


まとめ。
割と厳しめの感想ですが、自分の場合はもともと
こういう幻想的な雰囲気のミステリーを読みたかったので
驚いたり突っ込んだり怖がったりしながら楽しめました。
ただ、やっぱり一般向けかと言われると微妙なところで、
萌えやエロよりもシナリオの方に重点を置かれていますし、
そのシナリオにしてもエンタメ性は低かったと思います。

とはいえ、ホラーちっくな演出や真相のどんでん返しなど
面白い部分もありましたし、B級ミステリー作品を
先が読めること含めて楽しめるような人ならいけるのでは?
…いや、ニッチ層なのは分かっていますけどね。

以下ネタバレで少し。

幻想空間を一番上手く使った思うのは文音ルートかな。
現実の自分が死んでるかもという理由は良かったですね。
血まみれ妹をはじめて見たときにはビビリました。
逆にみさきルートの虐待ネタは現実寄りで
幻想空間なしでも出来る話だったような気がします。
目が光る親父の見た目は完全にギャグでしたしね。

妹ルートは兄妹の関係から男女の関係になるのを
丁寧に見せているのは良かったですけど、
父親焼死に真相に関してはあっさり過ぎたかな。
まあ兄妹関係の見直しは雑音が少ない現空間でこそ
出来たものだと思うと無意味ではないのですが、
ミステリーというよりも青春小説的な色合いが濃いかも。

祥子ルートは母親が死んでいるのが
ほぼ最初から分かっていたのが痛かったか。
父親もどきの謎にしてもいまいち盛り上がらず、
まだゴミ袋の方が恐怖感を煽っていたような気がします。

ラストの主人公のオチについてももう一捻り欲しかった。
この主人公、壊れているっぽいんですけど
普段の行動は目付きが変なところ以外は普通ですしね。
親殺しを予想している人もそこそこいたでしょうし、
それ以上にインパクトのある真相が見たかったです。

どのルートも終盤の物足りなさはあるのですが、
全体の雰囲気は結構好きな作品だったりするんですよね。

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