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『慶長・元和大津波 奥州相馬戦記』近衛龍春 感想
慶長・元和大津波 奥州相馬戦記慶長・元和大津波 奥州相馬戦記
(2012/07/28)
近衛 龍春

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奥州の小大名・相馬家。
その相馬家が戦国時代から江戸時代という激動の時代を
如何にして乗り切ったかを描いていく歴史小説です。
相馬家といわれるとあまりピンと来ないのですが
相馬野馬追と言われるとこちらは自分でも知っています。
この相馬野馬追を伝えてきた家なんですね。

主人公である相馬義胤はなかなかの頑固者。
ひたすら「伊達家許さん!」という姿勢を一貫する姿は
歯がゆさを感じるものの、清々しさも感じたり。
とはいえ、そこは小大名の悲しさ。
伊達家に敵対するためには相馬家だけでは足りず、
佐竹に主導権を握られがちなのがままならない。
しかもその流れで関が原の合戦でも西軍につき、
お家存亡の危機に陥ってしまうというグダグダっぷり。
東軍の背後を突こうにも佐竹や上杉が動かない以上、
単独で向かってもボコボコにされますからね…。

とはいえ、その伊達との敵対関係を利用して
伊達を警戒する家康に取り入ったのはお見事。
中央から取り残された時代遅れの小大名が足掻きながら
江戸時代へと適合していく姿は応援したくなりました。

津波関連の話も上手く取り入れられていましたね。
東日本大震災の記憶がまだ薄れていないこともあって
津波の情景も想像しやすかったですし、
その被害から発生する藩の財政難や改易の危機といった
当時特有の問題を描写しているのも興味深かったです。

小大名ゆえに大活躍するような展開はないのですが、
右往左往しつつ家を守るというような話も
どこか身近に感じられて好きなんですよね。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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