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『知の孤島』小前亮 感想
知の孤島知の孤島
(2014/06/18)
小前 亮

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歴史小説のイメージが強い小前さんですが、
今回の作品は意外にも近未来ミステリーでした。

「知は金なり」というスローガンを掲げる大学「YIT」
そこで自殺したと思われる死体が発見され二人の捜査官が
YITに送り込まれたものの、肝心の死体が何故か消失。
かつてYITの学生だった捜査官・堅田と
新米女性捜査官・日比野は死体の行方を追いつつ
事件の真相を追っていくことに…というのが話の大筋。

知性を金として冷徹に計算して先行投資として
教育を施していく大学という設定は面白いですね。
あまりにもシステマティック過ぎるようにも見えますが、
効率という点では現存する大学を上回りそうですね。
しかし行き過ぎると大学に害をもたらす学生は
始末するのもやむなしという考えに至るのも分かります。
ここまで来ると大学自体が一種の機械のようなものかも。

話の展開が凄く早いのも面白い。
自殺が起こって捜査官がYITへ入って事情聴取して即解決。
これだけ書くと物凄くあっさりしてるんですけど、
間に過去話が入ったりするので話の密度は濃厚です。
優等生だった斎藤がじわじわと追い詰められていき
冒頭の自殺へ繋がっていく流れは緊迫感がある。
オチに関しても綺麗に伏線が繋がっていて問題なし。
しかし今回の事件は解決したとはいえYIT自体が
健在であることを考えるとシリーズ展開もあるのかな?
昼行灯な堅田と脳筋な日比野の組み合わせもいいですし、
これは続きに期待したいところです。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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