2014/10/21

『アパリション』前川裕 感想

アパリションアパリション
(2014/05/16)
前川 裕

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主人公である矢崎は予備校の講師を兼業する作家。
行方不明になった兄を探すため行動を開始した矢崎ですが、
時同じくして、勤務先の同僚から奇妙な話を持ちかけられ…。
という感じで、二つの問題を並行して追っていくお話です。

今回の事件の特徴は手がかりのちぐはぐさでしょうか。
何人かの行方不明者がいつのは確かで似たような
手がかりもあるものの、肝心の死体が見つからないため
なかなか警察が本格的に動けず、矢崎の兄にしても
死んでいるのかと思ったら生きている手がかりが
見つかったりして、終盤までオチが引っ張られます。
この独特の居心地の悪さがこの作品の売りでしょう。

ただ、事件の真相についてはちょっと拍子抜け。
というか、終盤までの気持ち悪い雰囲気が良かっただけに、
正体が分かるとガッカリしてしまった感じでしょうか。
不思議だと思っていた現象が科学で解明されたみたいな。
いつものことですが、前川さんは現実で起こりそうな事を
不気味に描写するのが凄く上手いと思います。
一度、ガチのホラー作品を書いていただきたいところです。

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