2014/10/06

『魔術士オーフェンはぐれ旅』第4部 感想

魔術士オーフェンはぐれ旅 女神未来(下)【通常版】魔術士オーフェンはぐれ旅 女神未来(下)【通常版】
(2014/05/25)
秋田禎信

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完結したので一気読みしてみました。

魔術士オーフェンはぐれ旅といえば僕らの世代にとっては
スレイヤーズと並び立つラノベ界2大巨頭でしたねー。
まさかその続編が今になって読めるとは思いませんでしたよ。
ありがたやありがたや。

舞台は第2部から二十数年後の新大陸。
オーフェンもクリーオウとの間に三人の娘を儲けて
すっかりいいおっさんとなっているのが感慨深かったですね。
年が年なので流石にそれなりに落ち着いてはいるものの、
人類最強クラスの力を持つおっさんだけあって
いざというときは自分で戦えるのがやっぱかっこいいです。
本当の家族が出来たせいか昔よりも無理してる感が少なく、
「出来るからやる」という凄みが出てきたような。
ホント、いい男になったなぁとしみじみ思いましたよ。

娘たちのキャラもぶっ飛んでて面白い。
マジクの弟子で天然ボケなラッツにエリート意識の高いエッジ、
ジト目枠のラチェットとギャルゲっぽいキャラ付けですが、
ラッツとラチェットは完全に無謀編のノリなのがアレ。
おかげで重いシーンでも気が抜ける抜ける。
オーフェンの女難は一生終わらないような気がします。
まあエッジへのフォローを見てるといい親父してますけど。

だからこそといいますか、今回のオーフェンは脇役でしたね。
もちろん脇役としては破格の活躍っぷりですけど
本当の主人公はフォルテとレティシャの息子であるマヨール君。
オーフェンはその良きアドバイス役という立ち位置です。
マヨール君は優等生でありながらある程度融通も利くという
かつてのキリランシェロの正当進化系という感じ。
捻くれなかったオーフェンとも言えるだけにハイスペックです。
妹を追いかけるというのも対比になっているのかな。

そんなマヨールの婚約者であるイシリーンもいい女。
オーフェンシリーズの女性ってダメ女ばかりだったんですけど、
このイシリーンに関しては本当に文句の付けようがない。
基本的に荒っぽいんですけどサッパリしてますし、
何よりマヨールのフォロー役としての自覚が凄いです。
これだけ男を育ててくれる女性はいませんて…。

お馴染みのキャラが大量に出てくるのも良かったです。
クリーオウはすっかりいいお母さんになっちゃってまあ。
第2部エピローグで落ち着きのある女性になっていましたけど、
子育てを通じてますます磨きがかかった感じです。
コギーはオーフェンの数少ないまともな友人という位置。
無謀編ではヒロインでしたけどこういう関係もありですね。
ドロシー、ボニーはそれなりの社会的地位に就きつつ、
オーフェンとお互い利用し利用される関係というのが面白い。
大学時代の謎の人脈に通じる胡散臭さのある関係です。

コルゴンはなんだかんだでチャイルドマン教室組の中で
一番オーフェンとの付き合いが長くなってるのが皮肉ですな。
この人の天然悪役っぷりはかなり好きなんですよね。
あと、マジクのくたびれたおっさんぷりは凄くツボ。
世間からは歩く殺戮兵器扱いされてるのに魔王の娘たちからは
粗大ゴミ扱いされているところが微笑ましいというか。
それでいてオーフェンが一番信頼しているのは
マジクという20年来の関係には腐女子じゃなくても萌えます。
いいなぁ、こういう無条件で信頼し合える関係、いいなぁ。
おっさん同士、長年の積み重ねがあるからこそですね。
あとマジクはラッツとくっつけばいいと思う。
というかそうならないと一生独身でしょうコイツは。

なんかキャラ語りだけで終わっちゃいましたけど
話自体も政治劇ありアクションありギャグありという感じで
要所要所で20年という年月の重さを感じさせつつも
スカッと楽しめるエンタメだったと思います。
キャラの火力が上がったせいで戦闘も派手になりましたし、
青年期の内省的な描写の多かった2部と比べると
おっさん同士の権力闘争的な話が重視されてたのも大きい。
2部は2部で好きでしたけど4部の方が万人向けかもですね。

そんな感じで久々のオーフェンシリーズ、
十二分に堪能させて頂きました。
自分が年を取ってるだけキャラたちも年を取っているので
なんだか余計に物語に感情移入してしまったような。
個人的には、ED後の更に数十年後の話って大好きなので
今後もこういう作品がどんどん増えて言って欲しいですね。
もう一冊、短編集が出るらしいのでそちらも楽しみです。

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