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『叫びと祈り』梓崎優 感想
叫びと祈り (創元推理文庫)叫びと祈り (創元推理文庫)
(2013/11/28)
梓崎 優

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記者である主人公が世界各国を旅するうちに出会った
不可思議な事件を題材にした短編連作ミステリ。
どの作品も基本的にトリックの複雑さよりも
動機の意外性で勝負しているという印象ですね。

特に出来がいいと思ったのは1本目と4本目。
砂漠を舞台にした1本目の作品は孤立したキャラバンで
殺人が起こるという、孤島物のアレンジでありながら
絶妙に新鮮な舞台設定が使われています。
風景描写も美しく、何もない砂漠で静かに殺人が
進行していくという一歩間違えればホラーになりそうな
展開なのに、最初から最後まで綺麗な印象しかない。
いいものを見せてもらったと素直に思えるないようでした。

4本目は一転して密林で起こった連続殺人の話。
エボラ出血熱に似た病気が蔓延する少数部族の村で
次々と村人が殺されていく理由とは…?
という感じで、こちらでは面白い舞台で疾走感のある
サスペンスちっくな物語が展開されていきます。
ジャンルは全然違うけど映画のプレデターを思い出した。

他の3本の作品も舞台設定や風景描写は秀逸なのですが、
話としては盛り上がりに欠ける印象でした。
特に5本目は今までの総括っぽい話にしようとして
ごちゃごちゃしてしまったような印象を受けます。
どの作品も幻想的でそれが売りになっている反面、
一歩間違えると迷走感に繋がってしまうのかな。
ここら辺のバランス、難しいと思います。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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