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『灰色の犬』福澤徹三 感想
灰色の犬灰色の犬
(2013/09/19)
福澤 徹三

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不祥事の責任を押し付けられ左遷された刑事・片桐。
片桐の息子で借金塗れの無職・遼平。
うだつの上がらない中年ヤクザ・刀根。
彼ら3人がそれぞれ人生を左右するトラブルに見舞われ、
後半にはそれらが一つに繋がっていくという物語。

片桐は二転三転する事件を追う緊迫感、
刀根はシノギの間に歯の治療で悩むというコメディ感、
遼平はじわじわ身を持ち崩す投げやり感というように
3人それぞれが味の違う物語を見せるのも面白い。
視点がコロコロと変わる話は書き方次第では
読むのが面倒になるんですけど、この本は良かったです。

片桐も刀根も真面目さが丁寧に描写されているだけに、
それを踏みにじられる理不尽さまでが切実に感じられて
真面目に生きているのがアホらしくなってくるのがヤバイ。
まあ二人とも真面目過ぎて損をする性格ですし、
もう少し気楽に生きろって言いたくなりますけどね。
逆に自分の弱さから借金を重ねる遼平は自業自得ですが、
こういう落ちていく物語もそれはそれで面白いです。

終盤は追い詰められた片桐と刀根が手を組んで
一発逆転を狙うというお約束の流れなのですが、
相手が警察とヤクザという2大勢力だけに
なかなか絶望感があって、だからこそ燃える展開でした。
遼平も巻き込んでどんどん物語が加速していき、
最後は爽快感のあるオチでビシッと決めています。
終盤までの重苦しさが半端ないだけに、
そこからの大逆転が非常に痛快な作品でした。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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