2014/08/21

『機龍警察 未亡旅団』月村了衛 感想

機龍警察 未亡旅団 (ハヤカワ・ミステリワールド)機龍警察 未亡旅団 (ハヤカワ・ミステリワールド)
(2014/01/24)
月村 了衛

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鋼鉄の機兵駆って戦う機龍警察シリーズの4作目。
今回の相手は紛争で家族を失った女たち。
自らのみに起こった不幸を世界に知らしめるべく
テロへと走る彼女たちを止めるというのが物語の大筋です。

今回のテロリストの背景にあるのはチェチェン紛争。
チェチェン紛争については自分も調べたことがあるのですが、
調べるたびにその深刻さに驚かされてはいるものの、
報道が少ないこともありいつの間にか忘れてしまう存在です。
チベット辺りの問題はまだよく目にするんですけどね…。
そんな無関心さがテロの連鎖を生んでいる面も確かにある。

今回のテーマの一つである未成年兵士、
少年兵ならぬ少女兵については若干掘り下げが浅かったかな。
設定的にはライザと重なる部分もあり新鮮さに欠けますし、
カティアと由紀谷のやり取りにしても定番という印象。
もっと掘り下げて欲しかったかも…とは思うのですが、
今でも結構分厚い本ですしこれ以上は厳しいか。

逆に「砂の妻」の真の目的、ドンデン返しは良かったです。
優しい愛が逆効果になるという展開はかなり好き。
城木と兄の関係は上の少女兵ネタのおまけかと思いきや、
最後の最後でガッツリ落としてくれました。
序盤からばら撒いてた兄と義姉の話もしっかり回収。
こちらに関しては素直に拍手を送りたいです。

しかし「敵」の風呂敷がどんどん広がりつつありますけど、
果たしてちゃんと畳むことができるのだろうか…。
ともかく、次回も楽しみなシリーズです。

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