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『よろずのことに気をつけよ』川瀬七緒 感想
よろずのことに気をつけよ (講談社文庫)よろずのことに気をつけよ (講談社文庫)
(2013/08/09)
川瀬 七緒

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第57回乱歩賞受賞作。

とある老人が殺され、その家の軒下からは呪術札が。
文化人類学の研究者である「僕」は被害者の孫娘とともに
老人を呪った真犯人を追っていくことになるのですが…。

呪術が大きく扱われているミステリーではあるのですが、
ホラー的な雰囲気は薄めで学術的な分析が多いです。
必然的に呪術の手間や法則の薀蓄が多くなるのですが、
語り口のテンポが良いのでサクサク先へ進めます。
軽快過ぎてちょっとラノベっぽさも感じられますが。

学術的な呪術分析とは言っていますが、
丁寧に分析されているだけに膨大な手間をかけて
相手を呪う人間の怨念の怖さは感じられます。
特に今回の話は数十年も相手を呪い続けているわけで、
それだけでも超常現象とはまた違った怖さがある。

ただ、ここまでやるならもう一捻り欲しかったかも?
主人公や孫娘も割と重い過去があったりするんですけど、
そこがあっさり流されてしまっていたのは残念。
折角「呪い」がテーマなんですしどうせならこの二人も
もっとドロドロしたものを抱えさせても良かった気が。
正直、主人公が微妙に感情が不安定なところを見て
こいつ人殺したことあるんじゃないか、とまで
疑っていただけに特に何もなくて拍子抜けでした。

面白い作品だったんですけど物足りなさもある、
ある意味で新人さんらしい作品だったと思います。

テーマ:ミステリ - ジャンル:小説・文学

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