2014/07/16

『アンドロギュヌスの皮膚』図子慧 感想

アンドロギュヌスの皮膚 (NOVAコレクション)アンドロギュヌスの皮膚 (NOVAコレクション)
(2013/12/02)
図子 慧

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……なんだろう。
ジャンルとしてはSFミステリーなんでしょうけど、
要素が多過ぎて一言で「どんな」とは言いにくい小説です。

物語は一人の男が殺人犯として収監されるところから開始。
基本的な流れはこの男の過去を探っていくことになるのですが、
その過程で家政婦殺人事件や病院での院内感染、
ヤクザの興行などといった膨大な要素が絡んできます。
はっきり言ってごちゃごちゃしてて分かりにくい小説ですが、
それぞれの事件が魅力的でグイグイ引き込まれるから困る。

主人公である殺人犯・三井の非人間的なキャラも魅力。
他人の考えや感情に決して共感せず、しかし理解はする。
行動前の「ふむ」というワンクッションがいい味出してます。
こういう、人間とは異なった思考パターンで
人間の行動を真似ているキャラクターって好きなんですよ。

冒頭の得体の知れない主人公の登場から始まって
過去から現代から次々と現れる謎に振り回された末に、
それらの全てが主人公の過去へ繋がっていく構成はお見事。
しかも設定や過去話はやたらと陰惨だったのに
読後感が非常に爽やかだったと来たらもう文句なし。
いやはや、面白い小説でした。

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