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『ヒポクラテスのため息』福田和代 感想
ヒポクラテスのため息ヒポクラテスのため息
(2011/09/15)
福田 和代

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失業した青年が親から病院を受け継いだ、と書くと
何だか滅茶苦茶ラッキーなようにも見えますが、
実際は潰れかけの病院を建て直すため四苦八苦する物語です。

この手の作品で一番面白いのはやっぱり異種業界の知識。
医師の憂鬱や医療保険問題について一応知識はあるのですが、
小説として読むと改めて新鮮な発見がありますね。
でも医療系の小説って激務の小児科や産婦人科のことは
よく書かれていますけど、楽な部署はネタになりませんね。
まあ、そこら辺の部署は本当に楽してボロ儲けなので
小説にしてもあまり面白くないんでしょうけど。

一応、物語の根幹は病院が傾く原因となったらしい
不正の真相を暴くことにあるのですが、
主人公の性格が結構まったりしていることや
不正自体も命に関わるような大事ではないこともあって、
物語としての緊迫感がほとんどなかったのは残念。
会話のノリはいいですし、文章も軽快なので
難しい病院事情もスラスラ読めたのはいいですけど、
重いテーマまで軽くなってしまったような気がします。

ラストシーンは凄く爽やかでいいんですけど、
肝心の事件の着地点がしっくり来なかったので
もやっとした感じで終わってしまったのが残念でした。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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