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『ジェミニの方舟―東京大洪水』高嶋哲夫 感想
ジェミニの方舟―東京大洪水ジェミニの方舟―東京大洪水
(2008/07)
高嶋 哲夫

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巨大台風に襲われる東京を舞台にしたパニック小説。

台風というと毎年次々訪れるものだけに危機感は薄いです。
特に最近は地震の記憶が新しいだけに、地震対策を重視して
台風対策を後回しにする傾向にあるのは仕方ないかも。
この小説では超巨大台風の恐ろしさが描写されていますが、
それでも被害自体は地震よりも小さいものなんですよね。

とはいえ、台風もまた恐ろしい存在であることも事実。
この本を読むと洪水や高潮といった定番の被害以外にも
強風による窓ガラスの飛散や海水の巻上げによる塩害など、
今まで盲点になっていた状況に気付かされます。

台風を家族三人の視点から描写しているのも効果的。
被害状況を見渡す被害対策本部にいる父親、
現代建築の粋を集めた高級マンションにいる母親、
普通の一戸建てで台風接近に怯える息子という
三者の配置は絶妙で、全体の被害も分かりやすいです。
マンションの地下に雨水が溜まりまくることによって
万全を期したはずの耐震構造が無効化されるのは面白い。

台風に強い都市作りとなると急に出来るものではないですが、
作中でも言われているように国民の一人一人が
台風は恐ろしいものであるという自覚を持つだけでも
被害を抑えられると思いますし、まずはそこからですね。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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