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『勝ち逃げの女王: 君たちに明日はない4』垣根涼介 感想
勝ち逃げの女王: 君たちに明日はない4勝ち逃げの女王: 君たちに明日はない4
(2012/05/22)
垣根 涼介

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リストラ専門面接官・村上真介のシリーズ4作目。
今回の4本の短編でリストラするのは3本目だけ。
1本目と4本目は退職希望者の引き止め、
2本目はかつてリストラされた人間の過去話です。
これはこれで本に起伏が出て面白い。

「勝ち逃げの女王」はCAの話。
自分の子供の頃はスチュワーデスでしたけど、
いつの間にかCAという呼び名が定着した感が。
CAはCAになった瞬間に夢が叶ってしまったわけで、
そこから先がないという考えは面白いですね。
それを逆手に取ろうとした真介ですが…。
夢に向かって突っ走る人間は強いですが、
夢を叶えた人間にも彼女なりの強かさがある。

「ノー・エクスキューズ」は変化球。
かつてリストラされたおっさんたちが
自分たちの時代はあーだこーだと言う話ですが、
このおっさんたちがかなり優秀だったせいで
リストラの重みがイマイチになってしまった気が。
余裕を持って生きていけばいいというのは
分かりますけど、それができるのは一部なわけで。

一転して「永遠のディーバ」は素晴らしかった。
かつて夢を追いながら諦め、現実に妥協して
細々と生きている中年男を目覚めさせたものとは。
日常のちょっとした出来事なんですけど、
それなのにガツンと泣かされたので完敗です。
過去話と現在が繋がるシーンは鳥肌モノでした。
夢を諦めた三十路には是非読んで欲しい作品です。

ラストの「リヴ・フォー・トゥデイ」は
「勝ち逃げの女王」と少し被っているのが残念。
優秀な人材を残すパターンは一冊に一作がいいかも?
でもターゲットである森山の過去よりも未来よりも
今を全力で生きるというスタイルは良かったです。
そして「今」を感じられるのが客と向き合い
日々の忙しさに追われる現場だったと。
こういう生き方、好きだなぁ。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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