2014/04/01

『シューマンの指』奥泉光 感想

シューマンの指 (講談社文庫)シューマンの指 (講談社文庫)
(2012/10/16)
奥泉 光

商品詳細を見る

奥泉さんらしい雰囲気のある音楽ミステリ。
音楽ミステリと言っても内容は音楽論が
8割で残り、残り2割がミステリという感じ。

その8割に当たる音楽論については、
奥泉ファンなら楽しめるんじゃないかと。
例によって宇宙の音楽の話ですしね。
完璧な音楽は楽譜の中だけにあり、
演奏は音楽を汚すことにしかならない、
という主張は人によっては不快でしょうが、
個人的には共感できる部分もあります。
シューマンはあの時代の作曲家の中では
少しマイナーな印象がありますけど、
改めて曲を聞いてみたくなる音楽論でした。

ミステリ要素は大きく分けて二つ。
最初に提示されるのが、かつて指を切断した
演奏家がドイツで完璧な演奏を披露した謎。
次が物語中盤で起こる殺人事件の謎。
どちらもスパッと解決するんですけど、
あの仕掛けにはかなり賛否が分かれそう。
まあ奥泉さんの作品って半分ぐらい
ファンタジーみたいなもんですし、
私的には平常運転って感じでしたけど。
こういう仕掛けは普通に好きですし。

でもやっぱり万人向けじゃないですね。
そもそも万人向けな奥泉作品って
クワコーシリーズぐらいな気もしますけど。

コメント

非公開コメント