2014/03/14

『震災列島』石黒耀 感想

震災列島 (講談社文庫)震災列島 (講談社文庫)
(2010/01/15)
石黒 耀

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災害小説で有名な石黒さんの2作目の小説。
今回はタイトル通り、地震がテーマです。

ただ、地震関連の薀蓄は面白いのですが、
今回はそれ以外にも色々と盛り過ぎた感が。
今回の話は震災小説であると同時に
娘を殺された父親の復讐小説でもあるのですが、
この復讐方法が結構凝ってるんですよね。

地震で起こる津波を利用して暴力団を
根こそぎ壊滅するというアイディアは斬新。
そのために自宅を要塞化して、一般人なりに
武器を用意していく過程もワクワクします。
ただ、なまじこの過程が面白いだけに
肝心の地震のインパクトが薄れてしまった気が。
地震が起こった後も震災描写は半分で
残りは暴力団との死闘になっていますし。

原発問題や歴史問題は地震関係なのですが、
政治を絡め過ぎた感がしなくもない。
もちろん地震対策は政治の仕事ですけど、
問題点の指摘だけに収まらず批判までが
増えてしまうとグチグチした雰囲気に
なっちゃって読みにくいんですよね。
ここら辺はバランスが難しいところですが。

とはいえ原発事故や津波による被害など、
後の東日本大震災と重なる描写は多いですし
よくシミュレートされた小説であるのも確か。
大都会特有の渋滞や耐震設計ビルの倒壊、
危険な施設へのテロなどは今後の東海地震で
現実になりそうなのが恐ろしいところ。
何ができるというわけではないですけど、
せめて心構えだけはしておきたいものです。

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