2014/03/11

『誰でもよかった』五十嵐貴久 感想

誰でもよかった誰でもよかった
(2011/03/18)
五十嵐 貴久

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渋谷の交差点に男が軽トラで突っ込み、
その後無差別殺人を実行…と書くと
どう考えてもあの事件が素材でしょうね。

ただ、この本の場合は犯人が殺戮の後に
喫茶店に立て篭もるというのが大きな違い。
この犯人と警察の交渉が主な内容となります。

警察と犯人の交渉は面白い。
ただ、立て篭もり犯に対するマニュアルを
読むような面白さであって、小説的な
盛り上がりはというと微妙なところです。
あの手この手で犯人の心を崩そうとする
警察側の苦労は分かるのですが、
立て篭もり犯が相手ということもあって
派手な展開はほとんど無いんですよね。
犯人の正体を探る家庭や説得術も
地味なものですし、犯人自身の人物像も
パッとせず悪い意味でリアルな印象です。

でもラストのドンデン返しにはちょっと感心。
ただ、これをやりたかったというのは
分かるんですけど、前置きが長過ぎたせいで
カタルシスも少なくなってしまった感が。
もう少し犯人側が積極的に動いてくれれば
読む方も夢中になれたと思うんですけどね。

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