2014/03/10

『恋する少女と想いのキセキ~Poupee de souhaits~』 感想

公式はこちら。
恋する少女と想いのキセキ

sugar potさんの最新作である
「恋する少女と想いのキセキ」の感想です。

うむ、うむ、素晴らしきかな、純愛ゲーム。

いやはや、当初はゆる~い萌えゲーかと思って
購入したのですが、これがなかなかどうして、
愛について真摯に向き合っている作品でしたよ。

基本的なシナリオ構造は共通でドタバタしつつ、
個別ルートではシリアスという定番の作り。
ヒロイン4人の後におまけのハーレムと言うのも
定番といえば定番のパターンでしょう。

日常会話はちょっと癖があるけど面白い。
主人公は人形オタクでコミュ障でプロ造型師。
二次元、ではなくて人形にしか興味が無く、
生身の女の子には非常に興味が薄いのですが、
そこが独特のとぼけた味になっていると思います。
ヒロインたちにしても主人公を愛し過ぎるトワ、
クールな突っ込み役エナ、お馬鹿なツンデレ天音、
空回り美人会長の美朋とバランスの良い配置。
ボケツッコミの関係がクルクルと入れ替わるので
最後まで見てて飽きないノリでした。

ただ、予想外だったのはシリアスパートが
思っていた以上に重くて辛い展開だったこと。
流石に欝ゲーとまではいかないものの、
どのルートでも「別れ」が絡んでくるので
常に不穏な雰囲気が漂っていたような印象が。

特に主人公への愛以外の全てを切り捨てている
トワの存在はこの作品を象徴するもの。
コメディパートでは、嫉妬深いとはいえ
そこから来る空回りが可愛らしい娘なのですが
主人公関連以外への興味が極端に薄かったり
定期的に記憶を消して愛の重さを維持したりと、
肌寒くなる描写があるのがたまりません。

ヤンデレとも重なる部分があるのですが、
ヤンデレよりも更に愛に特化した感じかなぁ。
「好き」という感情だけで他の全てを塗り潰す。
この塗り潰す感が怖くて、実に心地よい。
そしてそんな「好き」が積み重なった末に迎えた
トワルートの結末は…自分としては
凄く美しいものだったとだけ言っておきます。

まとめ。
素晴らしい純愛ゲーム。
全体的に重い雰囲気ではあったものの、
どのルートも綺麗に纏まっていましたし、
特にトワルートの結末は純愛の一つの到達点。
このルートの主人公とトワの姿は暗くて重く、
それでいて眩しさを感じさせられるものでした。

ここまでやるのならもう少し重くしてもいいかと
思わなくもないのですが、それだと完全に
欝ゲーになってしまうのでここら辺が限界かな。
ガチの欝ゲーを求める人には物足りないでしょうし
萌えゲーを求める人にはきつ過ぎるでしょうけど、
体験版の軽快なノリと、時折差し込まれる儚げな
雰囲気が合う人なら楽しめるのではないでしょうか。

以下、ネタバレありでの各キャラ感想。

○姫川 美朋
本筋からは一番離れたところにあるルート。
シナリオの山場もよくある駆け落ち展開ですし
それ故に入門用としては適当なルートかな。

萌えゲーとしても十分通用する出来で、
コミュ障主人公がリア充美朋に影響されて
徐々に積極的になっていく姿は微笑ましいですし、
美朋がオタクだとカミングアウトするシーンは
めっちゃスカッとしました。こういうの大好き。

駆け落ち関連については真面目とはいえ
若さゆえの暴走っぽいところもありますし、
決着にしてもパパが大人だったおかげで穏便。
全体的に平和なルートではあるんですけど、
駆け落ち時のトワの容赦のなさには
ちょっとビビッてしまったのもまた事実。

○駒久利 天音
アホの娘ツインテール。
基本的には主人公に正拳突きかまして
トワにお仕置きされるのが主な仕事です。

ウザキャラではあるのですがそれだけではなく
一本筋が通ったところを見せるのは上手い。
美朋の虚栄心をズバッと指摘するところとか、
トワとの関係の異常性に突っ込むところとか
何気にこのゲームの良心的存在でもあります。
デレてもツンを忘れないのは素晴らしい。
でも貧乳っていうほど貧乳じゃないのは残念。
私的にはあれは普通乳の範囲ですよ。

個別ルートの内容は相棒との別れという
泣きゲーでは定番の流れでしたね。
最初プレイした際には別れから復活という
定番の流れを見て「良かったなー」って
感じだったんですけど、全部終わってから
改めて考えると、ある意味ではトワルートの
対になっているルートなんですよね。
こっちが正統派であっちは邪道みたいな。

○エナ
どのルートでも状況が詰んでいる娘。
主人公を育てることが目的だっただけに
話が進むと自動的に成仏してしまうのがキツイ。

エナルートではそこを逆手にとって
主人公への想いを軸に再構築するという流れ。
その結果トワに近い存在になったのは面白いな。
ただ、元のエナとは違った人格になったのは
ハッピーエンドとは言い切れないですし
バッドエンドとも言い切れない難しさがあります。

一応、イチャイチャしてはいるんですけど
初っ端から別れが近付いている感があるせいで
素直に萌えられないのが結構私好みでした。
いや、限られた時間の中でのイチャイチャって
好きなんですよね…胃が痛くなるところが。

○トワ
全てはマスターのために。

これだけ一点に特化しているヒロインも珍しい。
体験版時点では定番の尽くしてくれる系の
ヒロインかと思っていたのですが、
いざ本編を触ってみるとこれが重い重い。
愛されることの怖さを教えてくれる娘でした。
ホント他への興味がないんだもんなぁ。

定期的に記憶を洗浄するという設定は良い。
主人公以外のことだけでなく主人公との
思い出までもリセットして、愛だけが
残るというのはよくここまで突き詰めたなと。
エピローグでもそれが生きていましたし。

主人公とトワの出した結論は大好きです。
他人からどう思われようと自分たちが
幸せならそれでいいじゃないか。
他者に迷惑をかける度合いにもよりますが、
今回に関しては二人の中で完結するものですし。
天音の言うように完全に閉じた関係なのですが、
これもまた究極の愛の形なのでしょう。

二人で死ねることの素晴らしさ。
ここまで来ると不健全とか間違ってるとか
そんな細かいことはどうでもよくなりますね。

○ハーレム
とりあえず全員食っちゃうルート。
珠璃と吉野さんまでちゃんと食えるところには
メーカーの良心を感じます。
何も考えずに楽しめるのが良い。
基本的に重いゲームだけに最後の最後は
こういうルートをプレイして気持ちを
リセットするのが良いのかもしれません。

コメント

非公開コメント