2014/03/04

『短篇五芒星』舞城王太郎 感想

短篇五芒星短篇五芒星
(2012/07/13)
舞城 王太郎

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タイトル通り5本の詰め合わせ。
本の雰囲気としては若干ホラー寄りかな。
特に「アユの嫁」と「四点リレー怪談」、
「あうだうだう」の三本は結構怖かった。

「美しい馬の地」は流産のことが
頭から離れなくなった男のお話。
一つのことを考え過ぎて情緒不安定になり
おかしくなってしまうというのは分かる。
そういう人が読んだら癒されそうだなー。
今回はおまけ扱いでしたけど、人のことを
勝手に可哀想がるなってのもまた深いテーマ。

「アユの嫁」は姉の旦那が鮎というお話。
見た目は人間、種族的には鮎。わからん!
それだけならコメディだったんですけど
後半の展開がちょっと怖いんですよね。
よくある謎の村に入って抜け出せない系の
神話や怪談に通じる怖さというか。
あと山の中で聞こえた一言もめっちゃ怖い。

「四点リレー怪談」は前半が怖くて
後半が軽いという逆パターンでした。
舞城さん図形ネタ使うのだなー。
UFO飛んでるのがちょっとかわいいです。
殺人事件が凄く適当な扱いなのには笑った。

「バーベル・ザ・バーバリアン」って駄洒落かと
思ったけどそれほど駄洒落じゃなかった。
バーベルになる話、入れ替わりの話、
アメリカの話と流れていってバーベルに戻る。
一つだけでも十分短編に出来そうですけど、
それをポンポン切り替えていくのが気持ちいい。
人は人を物扱いするべきじゃないのだ。

「あうだうだう」は「あうだうだう」が怖い。
鮎さんもわけわかんなかったですけど、
こっちの方が害意がありそうなので余計怖い。
動物を殺すネタって好きじゃないんですけど、
舞城さんの書き方だと気にならないのは
結構淡々と済ませていくからなんだろうか。

深く考えてもよし、流し読みしてもよし。
短編集としては理想的な内容かもしれません。

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