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『踊る陰陽師―山科卿醒笑譚』岩井三四二 感想
踊る陰陽師―山科卿醒笑譚 (文春文庫)踊る陰陽師―山科卿醒笑譚 (文春文庫)
(2010/07/09)
岩井 三四二

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戦国時代が近付きつつある京都を舞台に
当時の一般市民が持っている様々な悩みを
貧乏公家に使えている青侍・掃部助が
小細工によって解決していく短編集。
内訳としては陰陽師、女曲舞、年貢、蹴鞠、
鉄砲という5つの題材を扱っています。

当時の文化について詳しく見せつつ、
現代に通じるオチに繋げるのが岩井さん。
陰陽師に関しては現代の占い師に通じる
心理学がありますし、女曲舞の話は美人に
騙される中年男性という定番のもの。
この二本については感情移入しやすいです。

年貢の話では農民と奉公人の立場の違いが
比較されていますが、これに関しても
現代のサラリーマンと農家に当てはまると
いちいち納得しやすいのが面白いです。
どっちを選んでも一長一短なのもお約束。

そこから一転して蹴鞠の話はスポーツ物。
蹴鞠のトレーニングから流派の違いなど、
普段触れないことだけにいちいち新鮮です。
信秀や義元の名前がチラッと出るのも良い。

ラストは鉄砲が出始めた際のお話。
信頼性皆無の雑魚扱いかと思えば、
たった一発で軍勢を撤退させたりと、
得体の知れなさが存分に発揮されています。
刀も弓もダメダメだった侍が一転して
射撃の名手になれるということを考えると
やっぱり革新的な武器だったんだなー。

しかしこの掃部助という人物。
場当たり的な対応ばかりしているのに
結果的に全て上手く行くのが面白いです。
流れに身を任せるのが上手いというか。
ここまで来るとひょっとして大物なのか?
と思えてくるから不思議ですね。

テーマ:歴史小説 - ジャンル:小説・文学

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