2014/01/24

『あるじは秀吉』岩井三四二 感想

あるじは秀吉あるじは秀吉
(2011/12/02)
岩井 三四二

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信長、家康と来てこの秀吉でシリーズコンプ。

様々な人物の視点から稀代の英雄を描くという
スタイルは変わらないのですが、信長や家康は
ある程度の人物像が固定していたのに対して
今回の秀吉は徐々に変化していくのが特徴か。

といっても決して悪い意味じゃないです。
今回は得体の知れない人物として描くことが
目的だったのでそれに関しては大成功。
前半で見せていた愛嬌がどこまで計算なのか。
晩年にどんどん傲慢になって行ったところを
考えるとほとんど全てが演技だったのか。
もしそうだとしたらどこか悲しいです。

内容としては、最初の二編では
秀吉の機転や人使いの上手さを見せています。
その次の清正の短編は侍の生き方という
重いテーマを扱っているドタバタ劇。
とんち話みたいな息抜き回ですね。

4本目、5本目の作品では秀吉の我が侭さが
少しずつ現れ始めて不穏な雰囲気。
偉くなると愛嬌を振りまく必要もないからなぁ。
昔馴染みの小六の寂しさも理解できる。

そして6本目の秀吉は暴君、
7本目に至ってはもうダメだこりゃ。
ボケてしまっても誰にも止められません。
秀吉が優れた人物なのは確かですけど、
やっぱり晩年の暴走っぷりは大きな失点です。
ただ、こういう失点があるからこそ、
人間的な魅力があるのもまた確かなんですよね。

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