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『晩夏光』池田久輝 感想
晩夏光晩夏光
(2013/10)
池田 久輝

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香港黒社会を舞台にしたハードボイルド小説。

主人公は組織の下っ端として働く日本人。
余所者ではあるのですが、そんな彼でも
仕事さえこなせば受け入れるところは
香港の懐の深さか、それとも適当なのか。

そんな主人公の同僚が殺され、
その真相を探るというのがこの本の大筋。
香港での組織関係や警察の暗躍などの要素が
絡み合って複雑な様相を見せてくれます。

基本的に下っ端たちが動き回る話なので
作品全体の雰囲気もこじんまりした感じ。
面白くはあるのですが、これ単品では
本当に小さい事件なので少し物足りないか。
他組織や警察の陰謀など、まだまだ話を
広げられそうな設定があるだけに惜しいです。
主人公の過去もあっさり気味でしたし。


キャラは感情豊かでありながら
無駄に取り乱さないのがいいですね。
上司である陳は寛容と冷酷のバランスが絶妙。
忠実に仕えてる人間や正々堂々反発する
人間には寛容なのですが、少しでも妙な動きを
見せると的確に潰してくるので部下としては
なかなか落ち着けない上司だと思います。
いきなり歯を折られるとか恐ろしいわー。

主人公である悟や警察官の羅にしても
それなりに人生経験を積んでいるだけあって、
感情的になってもそれに振り回され過ぎず
打つ手は打ちますし、失敗しても無駄に凹まず
切り替えが早いので話のテンポがいいですね。
悟、陳、羅のトリオの話はもっと読んでみたい。

シリーズ化されれば読むとは思いますが、
これ単品だと物足りなさが強い作品でした。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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