2014/01/09

『図地反転』曽根圭介 感想

図地反転図地反転
(2009/09/05)
曽根 圭介

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図地反転といえば見方によって壷に見えたり
人の顔に見えたりするアレが有名ですが、
この本ではそんな人間の思い込みがテーマ。

幼女殺害事件で逮捕された容疑者。
容疑者を犯人だと断定した警察は厳しい
取調べによって自白を引き出したものの…
とここまでは冤罪物の定番パターン。

しかしこの作品の主人公である警察官は
過去に幼女殺害事件で妹を失っていて、
更にその事件で逮捕された犯人も冤罪で
真犯人が現在の事件と繋がってくるという
非常に複雑な作品構成になっています。

警察官の心象から目撃者の証言まで、
過去を掘れば掘るほど曖昧になってきて
人間って信用できないと感じさせられます。
最後には主人公の記憶まで曖昧に
なってくるのがちょっとホラーちっく。

そんな感じで記憶がボロボロ剥がれ落ちる
終盤までの流れは良かったのですが
それだけにラストの投げっぷりが残念。
人の記憶はこれほど信用できないという
テーマ自体は書き終わっているものの、
真犯人の結末や家主さんの家庭問題など、
放置するには大き過ぎる問題があるせいで
読後感はちょっと物足りなかったです。

しかしあらゆる証言が信用できないって
ミステリー殺しな設定だなぁ。

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