2013/11/22

『番犬は庭を守る』岩井俊二 感想

番犬は庭を守る番犬は庭を守る
(2012/01/27)
岩井 俊二

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とある男のペニスの話。

いや原発とか捕鯨とか色々と大きな問題が
テーマになっていたりするのですが、
それらの中心にあるのがペニスという
ファンキーでファンタジックなお話でした。

まず最初は捕鯨の話から始まるのですが、
これを燃料という視点で広めていって
いつの間にか原発の話になるのが面白い。
捕鯨や農業で暮らしていた長閑な土地に
いつの間にか原発が並んでいるという流れ。
架空の話なのですが他人事とは思えません。
まあ地名も日本を暗示していますけど。

で、ペニスです。
国中に放射能汚染が広がり出生率は低下。
そもそもまともなペニスを持った男は稀で
主人公のペニスも未発達で用を成さないもの。
そんな主人公が貧困生活から抜け出すため
真面目に仕事をしていたはずなのに、
何故か様々なトラブルに襲われ続けて
そのたびにペニスが酷い目に会わされる。
男なら読んでて股間が寒くなる展開ばかり。
こんな小説はなかなか他にはないでしょう。

その他、障害を持つ人間が隔離されていたり
臓器移植用の改良豚が量産されていたりと、
近未来社会小説としても読み応えあり。
絶望的な未来図ではあるのですが、
それでも案外生きていけるもんなんでしょう。
もちろん、もう少しマシな未来が来るに
越したことはないんですけどね。

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