2013/11/17

『加藤清正 虎の夢見し』津本陽 感想

加藤清正 虎の夢見し (幻冬舎時代小説文庫)加藤清正 虎の夢見し (幻冬舎時代小説文庫)
(2013/06/11)
津本 陽

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戦国武将として人気の高い加藤清正公の小説。
歴史小説といえば歴史であった出来事を
淡々と追っていくタイプと、主人公の心情を
妄想して掘り下げていく二つのタイプが
あるのですが、この小説は前者でした。

清正の少年時代からその最期までの出来事を
非常に細かく書いているのは良いですね。
前半は毛利との戦いをメインにして清正の
前線指揮官としての勇猛さを描き、
後半は朝鮮出兵メインで勇猛なだけではない
知将としての清正の姿を描いています。

ただ、出来事は細かく書いている反面、
肝心の清正本人の掘り下げは薄かったです。
判断力に優れた勇猛な武将でありすぎる故に
何が起こっても即断即決で深く考えない。
作中でも戦闘機械と書かれていますけど、
悪い意味で盛り上がらない描写なんですよね。
これなら少年漫画的な熱血漢として
書かれた方がまだ盛り上がったような気が。

歴史上の事件を細かく書き過ぎたせいで
人物描写がおざなりになってしまったのか。
三木城、鳥取城、高松城の三連続兵糧攻めは
もっとあっさりで良かったと思いますし。
加藤清正という極上の素材を
上手く料理できなかったのが惜しいです。

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