2013/11/05

『おくうたま』岩井三四二 感想

おくうたま (光文社時代小説文庫)おくうたま (光文社時代小説文庫)
(2013/07/10)
岩井 三四二

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浅井長政の忘れ形見が浅井家が滅んだ後に
医者に弟子入りして、御家再興を目指す物語。

まず医者に匿われるという発端が新鮮。
庶子とはいえそれなりに大切に扱われていた
御曹司と野蛮な医者坊主という組み合わせは
凸凹なりにいいバランスだと思います。
この時代の医術といえば師匠に弟子入りして
ボコスカ殴られながら覚えていくもの。
それを大名の子がやるから面白い。

基本的には外科メインの医者なのですが、
時代が時代だけにそんな細かいことを
言っている場合ではないのでとても忙しい。
現代と比べると原始的な医術とはいえ、
それなりに効果的な方法も編み出されていて、
そんな曖昧さも興味深いところですね。

身分を隠しながら逃避行を続けて幾星霜。
師匠と決別し武士としていくようになった
青年は戦人として命を賭けて戦ううちに
いつしか医者として過ごした日々を
懐かしく思うようになっていき…。
ということでオチはだいたい予想通り。
でもそこに至るまでの過程が丁寧なので、
最後まで一気に読み進めることが出来ました。
この発想、この設定でここまで書けるのは凄い。

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