2013/10/31

『蘭陵王』田中芳樹 感想

蘭陵王 (文春文庫)蘭陵王 (文春文庫)
(2012/03/09)
田中 芳樹

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悲劇の貴公子として名高い蘭陵王の物語。
田中さんの作品は結構読んでますけど、
歴史小説に触れるのは初めてだったかも?

主人公が蘭陵王ということでバッドエンドが
確定しているだけに雰囲気は重めです。
軍事的には優勢な場面も多いものの、
北斉という国の描写がドロドロしていて
読んでいて微妙に盛り上がりに欠けますね。
ホント嫉妬や汚職ばかりでキツイです。
敵国である北周や陳の方が過ごしやすそう。

蘭陵王自身の描写も薄いかなぁ。
戦には強いものの、国政に対しては
何も手を打てなかったのが物足りない。
心情描写にしてもオリキャラである月琴の
描写ばかりで蘭陵王の掘り下げは少なめ。
月琴は小説としては美味しいキャラですけど
肝心の蘭陵王が食われては本末転倒な気が。

ただ、作品としては面白かったです。
後書きでも新三国時代と言っていますけど、
三つ巴状態で様々な英傑たちが活躍し、
そして散っていく流れには夢中になれます。
後の隋に繋がる流れも見えてきますし、
三国志終盤に似た寂しさがあるのも良いです。
この時代はもっと評価されるべき。

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