2013/07/18

『僕の心の埋まらない空洞』平山瑞穂 感想

僕の心の埋まらない空洞僕の心の埋まらない空洞
(2012/09/21)
平山 瑞穂

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元恋人を殺して捕まったストーカー。
事件の担当となった検察官は真実を知るため
ストーカーの供述を引き出そうとしますが、
供述を聞くうちにいつの間にかストーカーに
共感してしまっている自分に気付き…。
という感じで、人はどうして道ならぬ恋に
落ちるのかということを突き詰めた作品です。
突き詰めた作品なのですが。

正直、かなり不快な作品でした。
まずこのストーカー男の主張がムカツク。
起こった事件について冷静に分析していて、
自分のストーカー行為の悪質さも自覚し
それに対する罰を受ける気満々なのですが、
その態度が見ていて凄く不快なんですよね。

多分このムカツキはストーカー行為よりも、
その後の自分が何故ストーカーになったのか
知って欲しいという態度に原因があるのかも。
僕は自己弁護はしませんよ、という態度が
逆に神経を逆撫でしてくれるといいますか。
ああもう、本当にムカツクなぁ。

検事の方も結構ダメ男でしたね。
嫁に隠れて女とコソコソ会っていたけど
性的な行為はしてないから浮気じゃない、
ってそんな言い訳通用するはずがない。
単に女の人と会うだけならいいですけど、
隠蔽工作までしてるんですし言い訳不可能。
しかも同じこと繰り返してますし。

ストーカー、検事の両者の言い分としては、
嫁は嫁として大事だけど、嫁だけでは絶対に
埋まらない部分もあって、だからこそそこを
埋めてくれる愛人に執着してしまうとのこと。
正直、この理屈は分からなくもないのですが、
他人に共感を求めるようなもんじゃないです。

心情分析としては面白かったんですけど、
ある程度図星だからこそイラッとする一冊。
こういう浮気に逃げてしまう弱さを
克服できないとは思いたくないですね。

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