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『何もかも憂鬱な夜に』中村文則 感想
何もかも憂鬱な夜に (集英社文庫)何もかも憂鬱な夜に (集英社文庫)
(2012/02/17)
中村 文則

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刑務官である主人公が、中村さんの
小説らしくグダグダと悩み続けるお話。
まあ相手が犯罪謝意や死刑囚ともなると
向き合う方も欝になって当然なのですが。

若い死刑囚に控訴を勧める刑務官という
導入部分はなかなか興味深いです。
死刑に値する罪を犯しているとはいえ
生きるのを諦めたような人間を見ていると
イライラしてしまう気持ちは分かるかも。
真剣に生きてから死ね、というのも
それはそれで酷い言い草なのですが。

受刑者の猫被りに騙される刑務官。
これはよくあることなんだろうなぁ。
人間観察が好きで人を騙すのが大好きとか、
場合によってはかっこいい知能犯として
書かれることもあるでしょうけど、
この小説ではひたすら嫌な奴ですね。
それだけ観察眼が鋭いってことですけど。

ごちゃごちゃと難しいことを言ってても
結局は性欲が原因なんだよというのは
中村さんらしい結論でもあります。
男はスッキリして賢者タイムになれば
犯罪を起こすような激情も消え失せる。
まあ、それはそれで難しいんですけど。

自分を救ってくれた人のように誰かを
救える人間になりたいという願望ゆえに
悩む主人公は、無様ではあるんですけど
人間としては好感が持てます。
この点は猫被り受刑者の言う通りですね。
なんだかスッキリしないですけど。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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