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『プラトン学園』奥泉光 感想
プラトン学園 (講談社文庫)プラトン学園 (講談社文庫)
(2007/10/16)
奥泉 光

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日本海に浮かぶ象島に設立されたプラトン学園。
そこで働くことになった新米教師、木苺が
様々な不思議現象に遭遇するという物語です。

この学校、PCでカリキュラムを作っていたり
ネットゲームが流行していたりと今となっては
当たり前のことをやっているんですが、
この本が出たのが1997年ということを考えると
かなり未来を先読みしていた作品なんですね。
SFというほど未来ではなく、10年後ぐらいの
身近な未来をなかなか的確に描写しています。
といってもクローンによる不死や人間の
電気信号化などにはSF要素を感じましたけど。

現実と仮想現実が混じり合っていくというのは
奥泉さんの作品の特徴の一つなのですが、
その特徴はこの作品でも生かされています。
周囲の人々が日常的に話していることが
実はネトゲの中での出来事だったり、
ネトゲの中の人物が現実側にまで現れたりと、
読者を振り回す展開は奥泉作品の醍醐味ですね。
そして最後は現実と仮想の区別がつかなくなり
全てが波に溶けて消えてなくなると。

なんというか、ネトゲで手塩をかけて育てた
キャラが消されて結局何も残らなかったような、
そんな読後感に浸らせてくれる作品でした。
他の作品ではちょっと味わえない感覚です。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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