2013/04/29

『運命予報をお知らせします』 感想

公式はこちら。
ヨナキウグイス第一弾!『運命予報をお知らせします』
新ブランド・ヨナキウグイスさんのデビュー作、
「運命予報をお知らせします」の感想です。

うん、素晴らしい告白ゲームだった!

いやほんと、どのルートでも告白からの恋愛成就、
もしくは失恋シーンの盛り上がりがいいんですよ。
どいつもこいつも滅茶苦茶真剣に告白して、
それが報われたらネジが外れたように喜んで、
振られたら本気で泣いて喚いてもだえ苦しむ。
もうこの一連のシーンだけでお腹いっぱいですわ。
どのヒロインもこちらの心構えの上を
スコーンと飛び越えていってくれました。

シナリオとしてはエロゲーというより恋愛ゲー。
どのルートでも、それぞれの形で恋愛とは何かを
追求していくというのがメインテーマですね。
普段からただ相手のことを好きなだけでは
物足りないと思っているような面倒くさい人なら
共感できる部分も多々あるのではないかと。

基本的にくっつくまでに悩みまくる作品なので、
くっついた後はおまけみたいなもんですね。
イチャラブはあるもののほぼエピローグ扱い。
まあ、告白シーンでグワッと盛り上げてくるので
それ以降はおまけでも仕方ない気もしますが。

日常シーンはメタ、パロが多めで好みが別れそう。
特にプレイヤーに近い観測者視点を持っている
林檎や帚木先輩の台詞回しはかなりクドいです。
エロゲにおけるサブヒロイン、男脇役の立場を
明確に自覚して立ち回っているだけあって
エロゲを皮肉っている発言も多いですしね。
不快に思う人が多くても仕方がない。
私としても両者ともに嫌いではあるのですが、
発言自体には頷ける部分も多かったです。

主人公も引っかかる部分は多かったですね。
テーマがテーマだけに恋愛についてグダグダと
考えるのですが、それを漏らし過ぎているのが
構ってちゃんっぽくてイライラさせられます。
作中でもヘタレ主人公と称されていますし
意図してるんでしょうけどそれでもイライラ。
ヒロインを引き立てるヘタレさなのが救いかな。

演出が思ってたよりも弱かったのも残念ですね。
シーンと服装が合ってない場面があったり、
スタッフロールも今時見ないほどしょぼかったり。
ここら辺は力不足というよりも予算の少なさが
感じられて、逆に同情したくなりましたけど。

まとめ。
「恋愛」について真面目に考えた意欲作。
私が期待していた恋愛のめんどくささについては
しっかり答えてくれる作品だったと思います。
めんどくさいヒロイン好きには結構お勧めかな。

ただ、それ以外の点については平均以下。
ヒロインはくっそ可愛いですけどいわゆる
萌えゲー的な可愛さとは少しズレていますし、
CGやエロについても特筆できるものはないです。
ボリュームもそれほど多くはないですし。

でもこういう尖った作品は大好きなんですよね。
たまにはこういう作品が出てくれないと
エロゲというジャンルに希望が持てなくなる。
エロゲらしいエロゲに食傷気味で体験版の
雰囲気が合うなら一つの選択肢にはなるかと。

私としては告白シーンだけで元が取れましたよ。
どの子の告白もいちいち私のツボを刺激するので
何度見てもゾクゾクしてしまうんですよね……。

以下、ネタバレで各ヒロインについて。

○光
兄が全て。兄しか見えない。

妹が自分だけを見るように縛り付けて育てたら
バリバリの依存系妹が出来上がりましたとさ。
でもそれって愛なんだろうかというお話。

体験版でも非常に愛が重かった妹ですが、
本編でもきっちり重さを見せてくれました。
兄妹ということで自分の恋愛に絶望しながらも、
昔からずっとずっと好きだったんだからなぁ。
振られた後は一歩引きつつ、それでも兄への
愛情が漏れ出しているところが可愛いです。

最後は親の反対という定番ネタでしたけど、
この愛の重さは親といえどどうしようもなく、
ただ、怒ることしかできないんですよね…。
ちょっと両親に同情してしまいました。

○夕紀
好きって何ぞや?

自分の恋心や相手の恋心を信用できないのは
この手の物語だと王道のテーマですね。
夕紀自身が凄く普通の子だけにこの悩みが重い。

しかしそんな普通の子の普通の頑張りに惚れて
好きになってしまうというのはいいなぁ。
地味な子のいいところを自分だけ知ってるのは
妙に優越感をくすぐられますね。

告白シーンではズキューンと来ましたよ。
争いが嫌いで今まで八方美人でいた子が、
好きな人のためなら本気で怒るってシチュ。
うぐぐ、こういうの、めっちゃ弱いんですよね。

OKした後の浮かれポンチっぷりも可愛過ぎる。
考える前に言葉が溢れて止まらないというか。
こういう壊れ方する子って珍しいような?
あのシーンは何度リピートしてもニヤニヤ。

○姫ちゃん
例え、始まりが嘘だったとしても。

小さい頃の思い出が原因が好きになるのは
エロゲでは定番ですけど、その思い出が
全部悪意の篭ったお芝居だったらどうなるか?

好きになった理由をぶち壊すところから始まる
恋愛というテーマは好きだったりします。
自分を騙していた主人公のことが憎らしくて、
それでも愛情も残っていて、という愛憎が良い。

姫ちゃんのリアクションはいちいち可愛いですね。
ほんと、弄られてるときの反応が凄くいい。
普段は毒舌で強がってるくせにロマンチストで
打たれ弱くて泣き虫なところとかたまりません。
ああもう、セクハラしたいなぁ。
料理の小細工では笑わせてもらいましたよ。

そしてそういう愛しさを
「それは愛情じゃなくて庇護欲だろ」
と切り捨ててくれる帚木先輩は流石です。
こういう娘が好きな私としては実に耳が痛いなぁ。
耳が痛いけど好きなんだから仕方がない。

エロ本へ嫉妬する姫ちゃんは可愛い。
個人的に大好きなシチュの一つですね。
エロゲでは常備すべきだと思う。

○夏帆
愛してくれるから、愛する?

自分を愛してくれる娘が好き、という甘えを
絶対に認めない面倒臭い夏帆ちゃんのお話です。

伏線が割と丁寧だったので夏帆が過去に
告白を断っていた理由は読めていましたね。
ただ、他の子と比べて恋愛に対する立ち位置が
一歩引いてるため、若干想いが弱く見えました。

でも屋上からの告白は実に王道。
首を洗って待ってなさい!って返しはいいなぁ。
その後の告白強要も良いテンポだ。

でも一番素晴らしかったのは姫ちゃんの失恋シーン。
始まりが嘘だったとしても、勘違いだったとしても
今、抱いているこの想いだけは決して変わらない。
振られると分かっていても「誰よりも君が好き」と
告白するその強さに完っ全にやられましたわ。
久々に涙腺に来る名シーン。私的殿堂入りです。

○林檎
あくまで親友というポジションのサブヒロイン。
よって想いを抱きつつも絶対攻略できない。

エロゲに対するメタなのは分かっていますけど、
私はこういう立ち位置が好きじゃないのです。
女の子全員の想いに答えてこそのエロゲ。
それが出来ないのならラノベでいいじゃない。

みたいなことを言うと帚木先輩ぽいですけど。
帚木先輩は何度もぶん殴りたくなりましたけど
同属嫌悪なんだよなぁ…。あーやだやだ。

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