手を出したものの感想を書き溜める場所
『風は山河より 第三巻』宮城谷昌光 感想
風は山河より 第三巻風は山河より 第三巻
(2007/01/30)
宮城谷 昌光

商品詳細を見る

「風は山河より」3巻目。

織田に付くか今川に付くかで揺れる三河。
今の松平ではその揺れを収めることが出来ず、
特に有効な手立てを思い付くわけでもない。
松平広忠は決して悪人ではないのですが、
それだけでは生き残れないのがこの時代です。

そしてそこへ乗り込んできたのが太原雪斎。
前半はこの雪斎無双と言っても過言ではない。
三河の地にありながらその進退は緩急自在。
城を取り、京へ顔を出し、今川の政治も見る。
その手腕には織田信秀でも後手に回るしかない。

織田家に奪われた家康を取り戻せたのも
この大軍師の知略に寄るところが大きいですね。
まあ、取り戻したといってもすぐに今川へと
送られていますし実感は少ないのですが。
圧政を敷いて三河人の心を離れさせたのが
唯一の失策と言えなくもないです。

そんな雪斎もこの巻の半ばで退場。
ライバルである信秀と同じ年に亡くなった点は
一つの時代の終わりを感じずにはいられません。
いよいよ信長の時代が来るのか…。
この二人の死に比べると広忠の死の扱いは軽い。
この軽さが当時の松平家の弱さを現しています。

最後の雨山合戦は不味い戦。
勝てるはずの戦いでありながら失策によって
総大将である定村をあっさり失ったのは痛過ぎる。
しかも大将を引き継いだ二人の弟まで死亡て。
運の悪さもここまで極まるとコントですよ。
しかしこういうことが起こるのが戦の怖さ。
そしていきなりピンチな三代目という場面で続く。

今回は広忠、雪斎、信秀、定村と随分減ったなぁ。
こうして見るとやっぱり世代交代という印象が強い。
次回からはいよいよ戦国時代本番。
最も華のある時代を野田菅沼家がどうやって
乗り切っていくのか、楽しみにしています。

テーマ:歴史小説 - ジャンル:小説・文学

コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック