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『共和政の樹立(小説フランス革命)』佐藤賢一 感想
共和政の樹立 (小説フランス革命)共和政の樹立 (小説フランス革命)
(2012/09/26)
佐藤 賢一

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小説フランス革命シリーズ8冊目。

さらば、ルイ16世。

正直、この人の平凡なおっさんっぷりは
嫌いじゃなかったのですが、時代が悪かった。
もう少しフランスという国が落ち着いていれば
革新的な君主として一定の評価をされたかも。

しかし国王の多少の改革程度では
革命の嵐に飲み込まれてしまうのがこの時代。
国民はスケープゴートを求めていますし、
完全な革命を目指すジャコバン派にしても
国王は生かしてはおけないのも理解できる。

しかし、そもそも完全な革命など必要なのか?
ロベスピエールたちジャコバン派が
革命を第一に考えているのは分かりますが、
既に革命自体が目的になっている感があります。
革命のためなら何をやってもいいみたいな。
この思想の先鋭化、極端化は極左らしい描写。
後の粛清の嵐に通じる展開になってきました。

国王という存在は良くも悪くも重石であり、
ひとまず監禁するだけでほとぼりが冷めたら
また利用するという手もあったと思うのですが、
殺してしまってはどうしようもない。
当時の空気、民意としては死刑にするのが
当然なんでしょうけど、それでもやっぱりなぁ。

状況がここに至って改めて実感するのは
やはりミラボーは偉大だったということ。
何事もほどほどに、というのは至言だと思います。
まあ、このほどほどに調整するというのも
ミラボーの手腕があってこそなんですけども。

比較的ミラボーに近い立ち位置にいるダントンや
ジロンド派残党が今後どう動いていくのか。
もちろん歴史知識としては知っているのですが、
どのように生き生きとして描いてくれるのか、
次の巻も非常に楽しみです。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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