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『ヴィズ・ゼロ』福田和代 感想
ヴィズ・ゼロヴィズ・ゼロ
(2007/06)
福田 和代

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福田さんらしい手の込んだハイジャック小説。

ハイジャックの成功率の低さには定評がありますが、
この本ではそれをどうやって成功させるのか、
最後までドキドキしながら読むことが出来ました。
単なるハイジャックだけでなく、ネット犯罪や
警察に使い捨てられるS(スパイ)とも絡めて
一つの大きな計画として見せてるのが面白かった。
ネット犯罪は福田さんの得意ジャンルですね。

小説の形態としては群像劇に近いかな。
出番的には元同級生である警察官、甲斐と出口が
主人公っぽいんですけど活躍度はそれほどでもない。
甲斐は鬼の4機で有名だったという設定の割には
アクションシーンは一瞬で終わっちゃいましたし、
ある意味で期待外れな部分があったのは確か。

ただ、それも国家の対応や犯人側の動きに
力を入れたと思えば納得できる出来だと思います。
主人公の視点を借りて犯人側の意外な行動を
楽しみながら読む小説という感じかな。
後半なんて何度どんでん返しされたことやら。

結末を怖いと取るか爽快と取るかは別れそう。
個人的にはこういう終わり方は好きですけどね。
福田さんは他作品でも似た展開を使ってますし
ひょっとしてこういうオチが好きなのかな。

一人ひとりの人物描写が薄めで感情移入は
しにくかったんですけど、それを話の展開で
ここまで引きつける手腕は流石の一言です。
映画向きな作品かもしれない。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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