2013/01/22

『戯史三國志 我が土は何を育む』吉川永青 感想

戯史三國志 我が土は何を育む戯史三國志 我が土は何を育む
(2012/03/20)
吉川 永青

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三国志では比較的マイナーな存在である
廖化の視点から見た蜀漢の物語。
出自がハッキリしていないことを逆手に取り
面白い捏造を次々と見せてくれています。

黄巾の残党の子供として劉備に拾われた廖化。
劉備の人懐っこい人柄に惹かれた廖化は
関羽や張飛といった豪傑たちとともに
蜀漢の勃興のため奔走していくことに。
少年兵として劉備たちに付いて行くという
視点は新鮮で共感しやすい物になっています。
最初は曹操を恨んでいたものの彼の行動原理を
知るにつれて大きな視点を持っていくという
人間的な成長も上手く書かれています。

劉備とはぐれた後に程普の元に
身を寄せるという展開もここまで強引だと
逆にこれからどうなるのかわくわくしますね。
こういう妄想人間関係は小説の醍醐味。
あと、孔明の変人っぷりには笑った。
どんだけ人間嫌いなんだこの人。
でもズバズバ正論言うのは爽快でした。

しかし後半、群雄達が次々と死んでいく流れは
分かっていてもやはり寂しいものです。
やっぱり三国志は孔明が死んだところで終わり、
以降の姜維の奮闘は長いエピローグなんだなぁ。
そして劉備時代から戦い続けて蜀漢の滅亡を
見届けるまで生き残った廖化には拍手。
本人の言うとおり派手な活躍はなかったものの、
最後まで一線にいたその生き様はお見事です。

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