2013/01/07

『ラガド 煉獄の教室』両角長彦 感想

ラガド 煉獄の教室 (光文社文庫)ラガド 煉獄の教室 (光文社文庫)
(2012/03/13)
両角 長彦

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これは構成の勝利だなぁ。

とある中学で発生した女生徒刺殺事件。
刺殺したのは同じクラスの女生徒の父親。
彼は自分の娘は虐められていたと主張。
現代の子供による虐め問題として大々的に
報道しようするディレクター・甲田ですが、
事件を追ううちに隠された事実に気付き…。

という内容なのですが見せ方が非常に上手い。
事件が起こった教室の生徒の位置を図で
説明しながら、一人ずつ事件について
語らせていくという構成はお見事です。
じわじわと明かされていく新事実には
ずるいと思いつつも釣られてしまいます。

ディレクターを主役級に添えたのも面白い。
報道特番の締め切りに追われながらも
新証言を追って走り回るその姿からは
ミステリとは違った緊迫感が感じられます。
自分の思い通りの証言が出たときや、
逆に予想していなかった証言が出たときの
一喜一憂っぷりも場面を盛り上げてくれる。

ただ、オチに関しては評価が分かれそう。
私的にネタとしては好きなんですけど、
もう一捻りあればゾクゾクできたかなぁ。
あの一言は途中で読めてましたしね。
とはいえ、終盤まで読者を引っ張る力は
凄まじかったですし、満足度は高かったです。

大尾行もそうでしたけどこの作者さん、
トンデモ設定を料理するのが上手いですね。
前半のインパクトが強過ぎて最後のオチの
衝撃が薄れてしまうのが惜しいですけど。

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