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2020/11/28

『呉漢』宮城谷昌光 感想

光武帝配下の雲台二十八将の二位、呉漢の物語。

下層の農民から光武帝政権の最重臣まで上り詰めるという
サクセスストーリーなのですが、主人公である呉漢が
功名心が薄く落ち着いた人格なところは宮城谷さんらしい。

物語の前半でオリジナルキャラやエピソードを盛って
物語として楽しめるように作るのも宮城谷さんらしさですね。
まず様々な特技を持つ仲間を集めてチームを作り、
それを中枢として兵を率いるようになるという流れは
いつもの流れはあるんですけどワクワクさせられます。

オリキャラの中でも特別なのは呉漢の師匠ともいえる祇登。
呉漢と出会った頃は知識と頭脳こそあるものの
仇討ちに囚われ、性格も少し捻くれていたのですが、
呉漢の中にある大器に魅せられてからは
教養のない呉漢をサポートすることが生きがいになります。

こいつを育てていけば面白い光景を見られるかも、
程度の考えで呉漢を育て始めた祇登ですが、
呉漢が成長するにつれて祇登が持っていた
捻くれた部分も消えていくのは良かったですし、
最終的に祇登が呉漢を庇って死ぬというのもエモい。
この祇登の生き様は物語として綺麗に纏まっていて
宮城谷さんのキャラの中でも心に残る存在になりました。

久々に宮城谷さんの作品を読みましたが、
この爽やかさと広大さを感じさせる作風はやっぱ好きですね。