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2020/03/22

『英龍伝』佐々木譲 感想

英龍伝
英龍伝
posted with amachazl at 2020.03.22
佐々木 譲
毎日新聞出版 (2018-01-12)
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江戸時代末期に異例の出世を遂げたものの
開国直後に病死した江川英龍の物語。

江川英龍といえば結構マイナーな人物ですが、
彼が作った韮山反射炉は歴史番組ではよく登場しますね。
私自身も彼についてはほとんど知らなかったのですが、
田舎の代官から幕府の最高幹部である三奉行を目指し、
ライバルである鳥居耀蔵の妨害に会いながらも
出世していくという立身物として楽しめる内容でした。

この物語は鎖国開国以前の海外の技術を
受け入れるか受け入れないかがメインですが、
それでもこれだけ前に進まないのだから大変です。
答えを知っている後の世から見ればバカバカしいですが、
当時の人間としては外国の圧倒的技術や
幕府の崩壊は想像できるものではないでしょう。
だからこそ、それを想像できた英龍が
幕府の中枢に入る直前に死亡したのは惜しいですね。

戊辰戦争についてはよく小説でも見るのですが、
その直前をテーマにした作品は少ないので、
色々と新鮮に感じる場面が多い作品でした。