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2019/11/30

『戦神』赤神諒 感想

戦神
戦神
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赤神諒
角川春樹事務所
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赤神諒さんが描く大友家シリーズのうちの一作。

今回の主人公は戸次鑑連。
一般的には立花道雪という名の方が有名な気がしますが、
これは立花道雪という字の美しさもあるでしょうか。
しかし今作で描かれるのは二階崩れの変まで。
よって戸次鑑連は出家せず、立花道雪は出番なしとなります。

話の大筋は戸次鑑連の立身出世譚という感じで、
親の代で大きく衰退した戸次家で生まれた鑑連が
持ち前の戦の才能を駆使してのし上がっていくというもの。
鑑連の性格が真っ直ぐということもあって、
基本的には痛快な雰囲気の漂う作品となっています。

ただ、赤神さんの作品全般に言えることですが、
主君の理不尽な命令にもただ黙って愚直に従う忠義を
美化する面が強いのは相変わらずなので、
そういう場面になると途端に重くなるんですよね。
有能配下を使い潰す君主というのはよくある展開ですが、
赤神さんの作品では特に理不尽さが目立っていて、
それに逆らわない主人公の魅力も損なっているような。
外敵の脅威描写が薄めということもあって、
いつも理不尽な味方に振り回されている印象が強いです。

もう少し外敵を倒す爽快感を重視するなり、
主君の理不尽さへの対応を上手く描写するなりすれば
読後感のよい作品になってありがたいのですが…
そうすると個性もなくなりそうなのが難しいところですね。